いつも読んでいただきありがとうございます。韓国旅行を中心に海外や国内旅行が大好きなANNAです。
韓国やソウルのホテルを探しているときに、ブッキングドットコムの画面を一度は見たことがある方も多いと思います。でも実際に予約しようとすると、ブッキングドットコム安全なのか、ブッキングドットコム危ないと言われていないか、ブッキングドットコム大丈夫なのか、ちょっと不安になりませんか。
検索してみると、ブッキングドットコム危険やブッキングドットコムトラブル、ブッキングドットコム詐欺、ブッキングドットコム二重請求、ブッキングドットコム返金トラブル、ブッキングドットコム口コミ、ブッキングドットコム評判など、かなり物騒な言葉がたくさん出てきてドキッとしますよね。クレジットカードの不正利用やフィッシング詐欺、キャンセルしても返金されない話、問い合わせしても返事が遅いといった体験談も多くて、戸惑う方も多いはずです。
私も韓国を含めいろいろな国でブッキングドットコムや他の海外ホテル予約サイトを使ってきましたが、「めちゃくちゃ便利だけど、何も考えずに使うのはちょっと危ないかも」というのが正直な感想です。とはいえ、ブッキングドットコム安全性をしっかり理解して、どこにリスクがあって、どう対策すればいいかを知っておけば、賢く使いこなすことも十分できます。
この記事では、ブッキングドットコム安全性や危険性、口コミや評判、よくある二重請求や返金トラブル、フィッシング詐欺の手口まで、韓国旅行を含めた実際の利用シーンをイメージしながら、できるだけわかりやすく整理していきます。読み終わるころには、ブッキングドットコムを使った方がいい場面と、楽天トラベルやじゃらん、HISなど他の予約方法を選んだ方がいい場面の違いが、かなりハッキリ見えてくるはずです。
【この記事でわかること】
- ブッキングドットコムが安全と言い切れない理由と仕組みの理解
- 実際に起きているトラブル事例とフィッシング詐欺の具体的な手口
- 二重請求や返金遅延などお金まわりのリスクと対処法
- ブッキングドットコムをできるだけ安全に使うためのチェックリスト
ブッキングドットコムは安全?結論と全体像

まずは「結局ブッキングドットコムって安全なの?」という一番モヤモヤするポイントから、一気に整理していきます。ここでは全体像をつかんでおいて、あとから各項目を深掘りするイメージで読んでもらえるとスッと入ってくると思います。
ブッキングドットコムは大手だが“安全とは言い切れない”理由
ブッキングドットコムは、世界最大級のオンライン旅行予約サイトのひとつで、韓国を含む世界中のホテルやゲストハウス、アパートメントが掲載されています。利用者も桁違いに多くて、「サービス自体が怪しいかどうか」でいえば、いわゆる詐欺サイトではありません。
ただし、私の感覚としては「大手だから絶対安心」ではなく、「大手だからこそ犯罪者に狙われやすいし、プラットフォームの構造上どうしても穴ができやすい」というのがリアルなところです。宿泊施設の情報をすべて自社で管理しているわけではなく、あくまで「たくさんの宿が出店している巨大マーケット」のような仕組みなので、その中に変な施設や悪意のあるプレーヤーが紛れ込む余地がどうしてもあります。
さらに、トラブルが起きたときに「ブッキングドットコムはあくまで仲介役なので、宿と直接やりとりしてください」というスタンスになることも多く、ユーザーから見ると「責任の所在があいまいでモヤモヤする」と感じやすい構造になっています。これが、安全とは言い切れないと言われる一番の理由だと感じています。
近年トラブルが増えている背景
ここ数年、ブッキングドットコムに限らず海外の旅行予約サイトをめぐるトラブルがかなり目立ってきました。特に多いのが、宿側のアカウントが不正アクセスされて、ブッキングドットコムの正規メッセージ機能やメールを使ってフィッシング詐欺が行われるケースです。
これは、見た目が完全に本物のブッキングドットコムから届くメッセージなので、旅行者側からすると見抜くのが本当に難しいです。韓国旅行の準備でバタバタしているときに、「支払い方法に問題があったので、数時間以内にこちらのリンクから情報を更新してください」と表示されたら、焦ってクリックしてしまう人がいてもおかしくないですよね。
また、コロナ後の旅行需要の回復とともに、世界中で宿泊需要が急増しているのに対し、サポート体制や審査の厳しさがそれに追いついていないのでは?と感じることも増えました。ユーザー数が爆発的に伸びるほど、システムトラブルやサポート遅延、怪しい施設の混入なども起こりやすくなります。
結論:使うなら対策必須のOTA
私なりの結論はシンプルで、「ブッキングドットコムは、便利でコスパも良いけれど、対策なしで“ノーガード”で使うのはおすすめしない」ということです。特に、韓国旅行が初めての方や、英語のやりとりに不安がある方、小さなお子さん連れの家族旅行などでは、リスクをしっかり把握してから使うかどうか判断した方が安心です。
このあと詳しく解説しますが、予約前のチェック、支払い方法の選び方、メッセージの見分け方、トラブル時の動き方を押さえておけば、リスクはかなり減らせます。それでも心配な場合は、国内の旅行会社や楽天トラベル・じゃらんなど、より保護が手厚いルートを使う選択肢も全然アリだと思います。
この記事の内容は、私自身の利用経験や公開されている情報をもとにした一般的な解説です。状況や契約条件によって対応や結果が変わることも多いため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、高額な予約やトラブル時の対応について不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
ブッキングドットコムとは?サービスの特徴と仕組み

ここからは、ブッキングドットコムの基本情報や仕組みをサクッと押さえておきます。土台の理解があるだけで、「なぜこういうトラブルが起きるのか」が一気に見えやすくなるので、ちょっとだけお付き合いください。
運営会社・世界での利用状況
ブッキングドットコムはオランダ発のオンライン旅行予約サイトで、今では世界中に拠点を持つ巨大グループの一部になっています。韓国や日本を含め、アジアのホテルもかなり充実していて、ソウルや釜山の人気エリアの宿はほとんど出てくると言ってもいいレベルです。
扱っているのはホテルだけではなく、ゲストハウス、コンドミニアム、アパートメント、一棟貸しのヴィラなど、いわゆる「ホテル以外の宿」もたくさん登録されています。価格帯も、バックパッカー向けの安宿からラグジュアリーホテルまで幅広いので、検索しているだけでも楽しくなってしまう人も多いと思います。
世界規模で見ると、1日に予約される宿泊数はとんでもない数です。その分、「利用者の多さ=トラブル事例の多さ」でもあるので、ネット上でブッキングドットコムの口コミを探すと、良い話も悪い話も山ほど出てくるわけですね。
マーケットプレイス型OTAの構造
ブッキングドットコムは、自社でホテルを運営しているわけではなく、あくまで「宿泊施設と旅行者をつなぐプラットフォーム」です。つまり、楽天市場のホテル版のようなイメージで、個々の宿やチェーンホテルがそれぞれ自分のページを持ち、料金や写真、空室情報を登録している仕組みになっています。
この構造にはメリットもたくさんあって、世界中の宿を一括検索できることや、宿側も比較的簡単に掲載できることから、物件数がどんどん増えています。一方で、「どんな宿でも登録できてしまう=変な宿も紛れ込む余地がある」という弱点も同時に抱えています。
また、決済やキャンセルのルールも「ブッキングドットコム側の規約+各宿のポリシー」の二重構造になっていることが多く、ユーザーから見ると条件が分かりづらいことがあります。これが、後で出てくる二重請求や返金トラブルとつながってくるポイントです。
国内OTA(楽天・じゃらん)との根本的な違い
楽天トラベルやじゃらんなど、日本の予約サイトと何が違うのかも、軽く押さえておきましょう。一番大きな差は、「どこの国の法律やルールのもとで運営されているか」です。国内OTAは日本の旅行業法のルールの中で運営されていますが、ブッキングドットコムは海外の会社で、日本の制度とは別枠で動いています。
もちろん、日本語ページもありますし、日本向けのサポートも用意されています。ただ、トラブル時に「日本の行政が間に入ってくれるか」というと、そうではないケースも多く、どうしてもユーザー個人で戦う場面が増えがちなのが現実です。
また、楽天トラベルやじゃらんは、日本人の旅行スタイルに合った説明やサポートが整っている一方で、ブッキングドットコムは「世界共通のフォーマット」に日本語を載せているイメージなので、細かいニュアンスが伝わりづらい部分もあります。このあたりが、安心感の違いにつながっていると感じます。
仕組みが生む“安全性の弱点”
ここまでの話をまとめると、ブッキングドットコムには構造的に次のような弱点があります。
- 誰でも比較的簡単に宿を掲載できるため、審査をすり抜けた怪しい施設が紛れ込む可能性がある
- 宿のアカウントが狙われると、正規のメッセージ機能を悪用した詐欺が発生しやすい
- ブッキングドットコムと宿の二重構造で、支払い・キャンセル条件が分かりにくく、トラブル時の責任の所在もあいまいになりがち
- 海外企業ゆえに、日本の旅行業法による保護や行政による仲裁が限定的になりやすい
こうしたポイントを理解しておくと、「ブッキングドットコムは安全か危険か」という二択ではなく、「どういうリスクがあるのかを知ったうえで、メリットと比較して使うか決める」というスタンスで考えられるようになります。
なぜ“危険・安全ではない”と言われるのか【理由まとめ】

ここからは、ネット上で「ブッキングドットコム危険」「ブッキングドットコムひどい」といった声が上がる、具体的な理由を整理していきます。ひとつずつ見ていくと、「あ、これは自分は気をつければ避けられそう」「これはちょっとイヤだな」といった判断がしやすくなりますよ。
フィッシング詐欺が急増している
最近特に目立つのが、ブッキングドットコムを装ったフィッシング詐欺です。これは、ユーザーのメールやアプリのメッセージに、「支払い方法の確認に問題が発生しました」「予約を維持するには、このリンクからカード情報を更新してください」といった内容が届き、記載されたリンクから偽サイトに誘導されてカード情報を盗まれるという手口です。
厄介なのは、見た目がかなり本物に近いどころか、実際にブッキングドットコムの正規アカウントや、宿泊施設の正規アカウントから送られてくるケースもあるということ。宿側の管理画面が乗っ取られてしまうと、そこから公式システム経由でメッセージを送ることができてしまうため、ユーザー側で見分けるのが本当に難しい状況になっています。
韓国旅行の準備中に、見知らぬ英語や韓国語のメッセージが急に届くと、それだけで不安になりますよね。さらに「〇時間以内に対応しないとキャンセル」と書かれていると、冷静な判断ができなくなってしまいがちです。
アカウント乗っ取りによる偽メッセージ被害
さっきの話ともつながりますが、実際に被害が出ているのは「ブッキングドットコムのアカウントそのもの」ではなく、「宿泊施設側のアカウントが乗っ取られているパターン」です。つまり、宿のパソコンやメールがマルウェアに感染したり、パスワードが盗まれてしまい、その情報を使って不正ログインされるケースですね。
この状態になると、詐欺師はその宿の名前で、正規の管理画面からブッキングドットコム経由のメッセージを送ることができます。ユーザーの画面には「予約中の〇〇ホテルからのメッセージ」と表示されるので、普通は疑いません。ここから外部の決済サイトに飛ばされたり、カード情報やパスポート情報の入力を求められると、かなりの高確率で騙されてしまいます。
こうした攻撃は、ブッキングドットコムに限らず、Agodaや他の海外OTAでも問題になっていて、「どの予約サイトを使うか」だけでなく、「どのようにメッセージを扱うか」が安全性を左右する時代になってきたと感じます。
存在しないホテル・偽掲載の問題
ニュースでも取り上げられたことがありますが、「ブッキングドットコムで予約した高級ホテルに行ってみたら、現地には空き家しかなかった」という衝撃的なケースも出てきました。写真や住所はそれっぽく見えても、実際に行ってみると宿泊施設が存在しない、あるいは全く別の建物だったというパターンです。
これは、マーケットプレイス型の「掲載審査の甘さ」や「掲載後のチェック不足」が原因と考えられます。写真をほかの宿から盗んだり、実在の貸別荘の写真を無断で使うなど、やろうと思えばいくらでも悪用できてしまうのが現状です。
韓国でも、住所はソウル市内になっているのに、地図でピンを打ってみるとどう考えても住宅街のど真ん中、口コミもほとんどない…という物件を見かけることがあります。こういうときは、すぐに予約せず、慎重に情報を集めた方がいいです。
料金トラブル(二重請求・返金遅延)が多発
ブッキングドットコム関連の口コミで、かなり頻繁に目にするのが「二重請求」「返金されない」「返金が遅い」といったお金まわりのトラブルです。
よくあるパターンとしては、次のようなものがあります。
- サイト上で事前決済したつもりが、ホテル側でも「未決済」と認識されていて、現地で再度請求されてしまう
- キャンセル無料期間だと思ってキャンセルしたら、実は対象外だったとして全額請求される
- 返金対応はしてくれたものの、カードへの払い戻しまで数週間〜数か月かかる
こうした問題が起きやすいのは、「決済の流れが、ブッキングドットコム → 決済代行会社 → 宿泊施設」と複数のレイヤーに分かれていることが多いからです。どこでお金が止まっているのかが分かりづらく、ユーザーから見ると「ちゃんと返金されるのか」「本当に二重請求なのか」が見えにくい状況になっています。
カスタマーサポートが弱い
トラブルが起きたときに頼りたいカスタマーサポートですが、ブッキングドットコムの場合、「繋がらない」「返事が遅い」「テンプレ回答ばかりで話が前に進まない」といった声が少なくありません。
もちろん、サポートが機能して問題なく対応してもらえたケースもたくさんあります。ただ、海外企業であることや、世界中から問い合わせが殺到していることもあって、どうしてもレスポンスにムラが出がちです。特に、土日や祝日、大型連休前後などは、問い合わせが集中してさらに繋がりにくくなります。
国内OTAだと、日本語での電話サポートが手厚い場合も多く、「トラブル時の安心感」という意味ではかなり差を感じやすいポイントです。
法的保護(日本の旅行業法)が限定的
もうひとつ意識しておきたいのが、法的な守られ方の違いです。日本国内の旅行会社やOTAは、旅行業法の枠組みの中で運営されていて、万が一会社が倒産した場合などに備えた弁済制度などがあります。一方、ブッキングドットコムのような海外OTAは、基本的にはその国の法律に従っていて、日本の制度とは別の枠組みです。
そのため、「何かあったら日本の行政が助けてくれるはず」と期待してしまうと、現実とのギャップにショックを受けてしまうかもしれません。もちろん、消費生活センターなどに相談することはできますが、最終的には「契約相手はどこか」「どの国のルールに基づくか」が重要になってきます。
海外サイト特有の“自己責任領域”の広さ
上のポイントを全部まとめると、海外サイト特有の「自己責任領域」がかなり広いことが分かります。ブッキングドットコム側が対応してくれない場合、カード会社や保険会社、場合によっては現地の警察や大使館など、自分でいろいろな窓口に相談して動く必要が出てくることもあります。
これは決して「使うべきではない」という意味ではなく、「国内旅行と同じ感覚で“全部何とかしてくれるでしょ”と思っていると、痛い目を見ることがある」ということを、頭の片隅に置いておいてほしいなと思います。
実際に起きている主要トラブル事例

ここからは、私が見聞きしてきたものも含めて、ネット上でよく話題になるトラブルの代表例をピックアップしていきます。「こういうパターンがあるんだ」と知っているだけでも、いざというときの冷静さが全然違ってきます。
“予約がキャンセルされる”と脅す偽メッセージ
もっとも典型的なのが、「予約が自動的にキャンセルされます」というワードで焦らせてくる偽メッセージです。内容としては、「支払い方法を確認中にエラーが出ました」「24時間以内に下記リンクからカード情報を更新しないと予約はキャンセルされます」といったものが多いです。
旅行者心理としては、「せっかく取れた良いホテルがキャンセルになったら困る!」となるので、思わずリンクをクリックしてしまいがちです。でも、冷静になって一度ブッキングドットコムの公式アプリや公式サイトからログインして、予約状況を確認してみることが大事です。そこで問題が表示されていなければ、そのメッセージはかなり怪しいと考えてOKです。
外部決済ページに誘導されるフィッシング詐欺
「カード情報を更新してください」というメッセージに書かれているリンクを開くと、ブッキングドットコムのロゴや色合いがそっくりなページが表示されることがあります。でもURLをよく見ると、全然違うドメイン名だったり、見慣れない文字列が入っていたりします。
こうしたページでカード番号や有効期限、セキュリティコードを入力すると、その情報がそのまま詐欺師に送られてしまい、不正利用の被害につながります。公式の支払いは基本的に公式アプリや公式サイトの中だけで完結させるのが鉄則で、メッセージやメールに埋め込まれたリンク経由で決済するのは極力避けた方が安全です。
千葉県で報告された「宿が存在しない」事件
日本でも話題になったのが、「ブッキングドットコムで予約した高級宿に行ってみたら、田んぼと空き家しかなかった」という事件です。写真はとてもオシャレで、レビューもいくつか付いていたため、普通に信じてしまってもおかしくない内容でした。
現地に着いてみて初めて「宿がない」と分かり、慌てて別の宿を探すことになった上に、交通費などの実費はほとんど補償されなかったという話もあります。これは極端な例ではありますが、「掲載されている=必ず実在する安全な宿」とは限らないことの象徴的な事例だと思います。
現地払い+カード請求の二重請求事例
「二重請求」に関しては、本当にいろいろなパターンがあります。よくあるのは、ブッキングドットコム上では「現地で支払い」と表示されていたので、チェックアウトのときにフロントで支払ったものの、後からカード明細を見るとブッキングドットコムからも同じ金額が請求されていた、というケースです。
原因としては、ホテルとブッキングドットコム側の決済情報がうまく連携されておらず、双方が「自分のところで決済されていない」と思い込んでいることが多いです。ユーザーから見ると「どっちのせい?」となってしまうのですが、証明するために領収書や明細、予約画面のスクリーンショットなど、かなり細かい証拠が必要になってきます。
返金まで数週間〜数か月かかるケース
返金トラブルで多いのが、「返金は承認されたのに、カードに戻るまで長い」という声です。カードの締め日をまたいでしまうと、一度は全額支払うことになって家計へのインパクトもそれなりに出てきますし、為替レートの変動で微妙に損をすることもあります。
ブッキングドットコム側としては、「返金手続きは完了しているが、カード会社側の処理に時間がかかっている」という説明になることが多いです。実際どこで時間がかかっているかはケースバイケースですが、「返金されるまでは終わっていない」という意識でこまめに明細をチェックするのが大事です。
ホテルとBooking.comで責任の押し付け合い
トラブル時のやり取りでよく見かけるのが、ホテルとブッキングドットコム双方で「相手に聞いてください」と言われてしまうパターンです。例えば、料金の相違があった場合、ホテルは「料金はブッキングドットコムが提示したものだからそちらに聞いてほしい」、ブッキングドットコムは「料金設定はホテル側が行っているので、ホテルと話してほしい」というスタンスになることがあります。
こうなると、ユーザーはどこにどう交渉すればいいのか分からなくなり、精神的にもかなり疲れます。こうした「板挟み」状態を避けるためにも、事前に条件や料金をスクリーンショットで残しておくことが、本当に大切だと感じています。
問い合わせが繋がらず問題が長期化
最後に、実害というより「ストレス」という意味で大きいのが、問い合わせのしづらさです。アプリやサイトのヘルプからチャットやメールを送っても、返信までに数日かかったり、途中でやり取りが止まってしまったりすることがあります。
その間にも旅行の日程はどんどん近づいてくるので、「このままキャンセルされちゃうのかな…」「現地で部屋がなかったらどうしよう…」と不安だけが膨らんでいきます。こういう状態が続くと、「もう二度と使いたくない」と感じる方が出てきても無理はないと思います。
フィッシング詐欺・偽サイトの手口と注意点

ここからは、特に危険度の高いフィッシング詐欺と偽サイトについて、もう少しだけ詳しく見ていきます。ちょっとした見分け方を知っているだけでも、引っかかるリスクをかなり減らせます。
正規のメッセージ機能を悪用される理由
ブッキングドットコムは、予約した宿とメッセージでやり取りできる便利な機能があります。空港送迎の相談やチェックイン時間の連絡などにかなり役立つので、私もよく使っています。
ただ、この「便利な正規メッセージ機能」が悪用されることで、ユーザーが詐欺を見抜きにくくなってしまっています。宿側のログイン情報が盗まれると、そのアカウントで通常通りメッセージを送れるため、ユーザーの画面には本物のブッキングドットコムからの連絡としか見えないのです。
この構造的な問題がある以上、「正規メッセージだから100%安全」と思い込むのではなく、「正規メッセージでも内容によっては疑う」という視点が必要になってきます。
“数時間以内に支払え”型の緊急メッセージ
フィッシングでよく使われるテクニックのひとつが、「時間制限」を設けて焦らせるやり方です。「○時間以内に手続きしないとキャンセル」「今すぐ支払わないと予約が無効になる」と書かれていると、つい冷静さを失ってしまいますよね。
でも、落ち着いて考えると、本当にそんなに急がせる必要があるケースはほとんどありません。特に、すでに事前決済している場合や、予約確定のメールが届いている場合は、「なぜ今になって支払い方法の確認が必要なのか?」と一度立ち止まって考えるべきです。
こうしたメッセージが来たら、まずはリンクを踏む前に、公式アプリや公式サイトからログインして予約状況を確認するのが鉄則です。それで問題が表示されていなければ、そのメッセージは無視して構いません。
ドメイン偽装・ホモグリフ攻撃の具体例
最近の偽サイトはかなり巧妙で、URLの一部に似た文字を使う「ホモグリフ攻撃」と呼ばれる手口も使われています。例えば、英語の「o」と数字の「0」を入れ替えたり、アルファベットに似た別の文字を紛れ込ませたりすることで、一見すると本物のbooking.comに見せかけることができます。
スマホの場合はアドレスバーが短く表示されてしまうことも多く、URLが途中で省略されて「…」になるので、見抜くのがさらに難しくなります。「ブックマークした公式サイト・公式アプリ経由でアクセスする」ことを徹底して、メッセージやSNS経由でいきなり飛んできたリンクからログインしないようにするのが一番の防御策です。
偽メール(迷惑メール)で多いパターン
メール経由のフィッシングも、相変わらず多いです。典型的なパターンとしては、次のようなものがあります。
- 件名に「重要」「予約キャンセルのお知らせ」「支払いに失敗しました」など不安をあおる言葉が入っている
- 本文の日本語がどこか不自然、敬語の使い方がおかしい
- 差出人のメールアドレスに、公式とは異なるドメインが使われている
- 添付ファイル(PDFやWord、Excel)が付いていて、「請求書」「予約確認」などと書かれている
こうしたメールが届いたときは、添付ファイルを開かない・メールの中のリンクをクリックしないことが大前提です。どうしても気になる場合は、ブッキングドットコムのアプリや公式サイトからログインして、予約画面に同じ情報が表示されているか確認してみてください。
「添付ファイルでマルウェア」を使う手口
少し技術的な話になりますが、宿側のパソコンがマルウェアに感染してアカウントを乗っ取られるケースでは、怪しいメールの添付ファイルを開いてしまうことがきっかけになっていることが多いです。これは一見、旅行者には関係ない話に思えるかもしれません。
でも、宿側のセキュリティが甘いと、その影響が巡り巡って旅行者のところにまで飛び火してくるという意味で、構造的な問題とも言えます。ユーザー側でできる対策は限られていますが、「添付ファイル経由での感染がある」という事実を知っておくだけでも、変なファイルをうっかり開かないよう意識できると思います。
本物と偽物のBooking.comを見分けるポイント
最後に、私が普段から意識している「本物と偽物を見分けるチェックポイント」をまとめておきます。
- URLが必ず公式ドメイン(booking.com)になっているか確認する
- アプリを使う場合は、公式ストアからダウンロードしたものを使う
- 支払い・ログインが絡むときは、必ず自分でアプリやブラウザからアクセスし直す
- 「今すぐ」「○時間以内」と急がせてくるメッセージは一度疑う
- メッセージやメールの中のリンクは極力踏まず、自分で公式サイトに行く
このあたりを習慣にしておくだけでも、フィッシング被害に遭う可能性はかなり低くできるはずです。
二重請求・返金・支払いトラブルの実態

次は、読者の方からもよく相談される「お金周り」の話です。二重請求や返金トラブルは、金額の大小に関わらず精神的なダメージが大きいので、仕組みを知ったうえでリスクを減らしていきましょう。
なぜ二重請求が起きるのか(構造的要因)
二重請求が起きる理由は一言でいうと、「誰がいつどのタイミングでお金を引き落とすのかが複雑だから」です。ブッキングドットコムの予約は、大きく分けて「事前決済」と「現地決済」がありますが、実際にはその裏側で複数の決済ルートが走っていることがあります。
例えば、ブッキングドットコム側が「仮払い」としてカードに一定額をチャージしたあと、ホテル側でも通常の決済処理をしてしまうと、結果的に二つの引き落としが発生します。システム上は「一方を返金すればOK」の話なのですが、どちらの処理がキャンセルされて、どのルートで返金されるのかを追いかけるのが非常にややこしいのです。
現地決済・事前決済の仕組みの違い
ブッキングドットコムで表示される支払い条件には、ざっくりと次のような種類があります。
- 完全事前決済(予約時に全額支払い)
- 一部前払い+残額現地払い
- 現地決済(カード情報は保証のために登録)
問題は、画面上の表現が簡略化されていて、細かい条件が見落とされやすいことです。例えば、「現地決済」と書いてあっても、実際には到着前にデポジットとして一定額をカードから引き落とすケースもありますし、「事前決済」となっていても、現地で追加料金を請求されることもあります。
韓国旅行のときも、私は必ず「支払いポリシー」を細かく読み、必要なら宿に直接メッセージを送って確認するようにしています。面倒に感じるかもしれませんが、高額になるほどやっておいた方が安心です。
返金まで長期間かかるプロセス
返金が遅い理由も、やはり決済ルートが複雑だからです。ブッキングドットコム側が返金処理をしたあと、その情報がカード会社に渡り、カード会社が締め日単位で処理を行うので、「返金された」という通知と実際にカード明細に反映されるタイミングがズレやすいのです。
また、海外通貨で決済された場合は為替レートも関係してきます。同じ金額を返金しても、円換算すると端数が変わることがあり、「全額戻っていない」と感じる原因にもなります。このあたりは、ブッキングドットコムだけの問題というより、国際ブランドカード全体の仕組みの話でもあります。
為替差損で“全額戻らない”ケース
例えば、韓国ウォン建てで決済した宿泊費をキャンセルした場合、決済時と返金時でレートが違えば、円に換算したときの金額も変わります。円高になればプラス、円安になればマイナスになるイメージですね。
ユーザーからすると、「同じ金額を払って同じ金額を返してもらったはずなのに、数百円〜数千円足りない」と感じることもあります。ただ、これはカード会社のレート適用の問題で、ブッキングドットコム側が故意に差額を抜いているわけではないケースも多いです。
このリスクを減らしたい場合は、決済通貨を日本円に固定できるプランを選ぶ、あるいは高額な予約ほど為替の動きも意識しておく、という工夫が必要になってきます。
カード会社へ相談すべきタイミング
ブッキングドットコムと宿とのやり取りでラチがあかないときは、一定のタイミングでカード会社を巻き込むことも重要です。具体的には、次のような状況になったら、カード裏面の番号から相談してみると良いと思います。
- 明らかに二重請求になっているのに、どちらからも返金される気配がない
- キャンセル無料と説明されていたのに、全額請求されている
- 身に覚えのない請求がブッキングドットコム名義で上がっている
カード会社のルールにもよりますが、「チャージバック」と呼ばれる仕組みで、一定条件のもとで支払いを取り消してもらえる場合があります。もちろん必ず通るわけではありませんが、請求に納得できないときに声をあげる窓口として、カード会社はかなり頼りになる存在です。
チャージバック(異議申し立て)のしくみ
チャージバックは、カード会員が「この請求は不当だ」と申し立てた場合に、カード会社が加盟店側に調査を求める仕組みです。結果として正当な請求と判断されればそのまま、問題があると判断されれば請求が取り消されることがあります。
ブッキングドットコム関連のトラブルでも、二重請求や明らかな契約違反があった場合に、この仕組みで救われたという話は少なくありません。ただし、領収書や予約画面のスクリーンショット、やり取りのメールなど「証拠」が揃っていることが前提です。
だからこそ、予約時やトラブル時には「いつ」「どこで」「誰と」「何を」やり取りしたのかを、面倒でも残しておくことが本当に大切なんですよね。
架空ホテル・偽掲載のリスク

次は、ちょっと怖いけれど知っておきたい「架空ホテル」「偽掲載」の話です。頻度としてはそこまで多くありませんが、当たってしまうと旅行自体が台無しになりかねないので、リスクと対策はしっかり押さえておきたいところです。
宿泊施設登録の審査の甘さ
ブッキングドットコムは掲載件数が膨大で、世界中の宿が登録されています。その分、登録時の審査がそこまで厳しくないのでは?と感じるケースもあります。もちろん一定のチェックはしていると思いますが、悪意のある人が工夫すれば、実在しない宿をそれっぽく登録してしまうことも不可能ではありません。
特に、急に出てきた新規の宿で、写真だけやたらと豪華、なのに口コミがほとんどない、住所を調べても住宅街のど真ん中…といった場合は、一度立ち止まって冷静に判断した方がいいと思います。
新規掲載で口コミが少ない宿の危険性
私は、口コミがゼロの宿を予約することはほとんどありません。新しくオープンしたばかりの本当に良い宿ももちろんありますが、「口コミが少ない=まだ誰もリスクを検証していない」状態なので、どうしてもギャンブル要素が強くなります。
特に韓国旅行みたいに、言葉や文化が違う国では、現地でトラブルが起きたときに自力で対応するのが大変です。そういう意味でも、少なくとも日本人の口コミがいくつか付いている宿を選ぶと、安心度がかなり変わってきます。
住所や地図情報の誤登録問題
架空ホテルまでいかなくても、「住所や地図のピンがズレている」問題はかなり頻繁に起きています。ソウルでも、表示されている場所と実際の入口が微妙にずれていたり、ビルの裏側に入口があって迷うことはよくあります。
ただ、それが「そもそも全く違う場所」になっていると、かなり危険です。予約前にGoogleマップで住所を検索し、ストリートビューで建物を確認しておくだけでも、怪しい物件をある程度ふるい落とせます。周辺に他のホテルやお店があるかどうか、雰囲気をチェックするのもおすすめです。
写真と実物が大きく違うケース
「写真は広くてキレイなのに、実際は狭くて暗い」「写真には写っていない隣の建物の工事音がうるさい」といったギャップは、どの予約サイトでも起こりえます。ブッキングドットコムだけの問題ではありませんが、写真だけで判断すると痛い目を見ることがあるのは事実です。
私は、写真だけでなく口コミの中の写真も必ずチェックするようにしています。実際に泊まった人が撮った写真は、良くも悪くもリアルなので、公式写真とのギャップを見比べるのにすごく役立ちます。
Googleマップで実在性を確認する方法
簡単にできるチェックとしておすすめなのが、Googleマップ+ストリートビューでの下見です。
- ブッキングドットコムに表示されている住所をコピーして、Googleマップで検索
- 地図上でその場所を拡大し、「この建物で本当にホテルっぽい雰囲気があるか」チェック
- ストリートビューで入口や看板、周りの雰囲気を確認
ここで、全く違う業種の店舗が出てきたり、どう見ても民家なのにホテル名が見当たらない場合は、かなり怪しいです。そういう宿は、よほどの理由がない限り避けた方が無難だと思います。
“口コミの不自然な増加”を見破るコツ
口コミの数や内容にも、ちょっとした違和感サインがあります。例えば、短期間に高評価の口コミが一気に増えている、しかもどれも似たような文章、という場合は、「不自然に評価を上げている」可能性もゼロではありません。
私は、次のような視点で口コミを眺めています。
- 直近3〜6か月の口コミに、低評価と高評価が混ざっているか(全て満点だと逆に怪しい)
- 「立地はいいけどうるさい」「部屋はキレイだけど狭い」など、メリット・デメリット両方を書いているレビューがあるか
- 日本人の口コミがどれくらいあるか(韓国旅行なら特に重要)
極端に褒めているレビューだけでなく、普通のトーンで書かれたレビューが多い宿は、比較的信頼しやすい印象があります。
カスタマーサポートの課題

トラブルが起きたときの頼みの綱がカスタマーサポートですが、ブッキングドットコムに関しては、ここも「ちょっと心細い」と感じるポイントがいくつかあります。期待しすぎず、どこまで何をしてくれるのかを、事前にイメージしておきましょう。
電話が繋がりにくいと言われる理由
ネットの口コミを見ていると、「電話サポートになかなか繋がらない」という声が結構あります。これは、おそらく世界中からの問い合わせが一か所(または少数の拠点)に集中していることが大きいと思います。
日本の旅行会社のように、各地域にコールセンターがあって、比較的すぐ繋がるイメージを持っていると、ギャップを感じやすいです。「時間に余裕があるときに連絡する」「チャットやメールも併用する」など、心に余裕を持った使い方を意識しておくと少しラクになります。
言語の壁(英語対応になるケース)
ブッキングドットコムには日本語サポートもありますが、状況によっては英語での対応になることもあります。特に、現地の宿との三者間で電話会議をするようなケースでは、英語が必要になったり、通訳を介して話が進むこともあります。
英語が得意な人にとってはそこまで問題ではありませんが、苦手な人にとってはかなりのストレス要因です。だからこそ、トラブルが起きたときに日本語だけで完結させたい人は、国内OTAや旅行代理店を選ぶ価値があるとも言えます。
ホテル側とBooking.com側の責任範囲
カスタマーサポートの難しさの根本には、「ブッキングドットコムと宿のどちらの責任かが分かりにくい」問題があります。例えば、オーバーブッキング(部屋数以上の予約を受けてしまうこと)が起きた場合、ホテル側は「サイトが勝手に受け付けた」と言うかもしれませんし、ブッキングドットコム側は「在庫管理は宿側の責任」と説明するかもしれません。
こうなると、サポート担当も「どこまで補償するか」を判断しづらくなり、テンプレ回答のような無難な対応になりがちです。ユーザーとしては、「どちらかがちゃんと責任を取ってくれればいいのに」と思ってしまいますよね。
返答が遅い・テンプレ回答が多い問題
メールやチャットで問い合わせたときに、「テンプレっぽい回答が返ってくるだけで、具体的な解決に全然近づかない」と感じるケースもあります。これは、一次対応のオペレーターが、一定の権限しか持っていないことが多いためです。
少し大変ですが、具体的な証拠を揃えて「上席の担当者にエスカレーションしてほしい」と丁寧に伝えることで、話が前に進むこともあります。感情的になってしまいそうなときこそ、深呼吸して冷静に状況を説明するのが、いちばんの近道だったりします。
トラブル時に「泣き寝入り」になりやすい構造
最終的に、金額がそこまで大きくなかったり、やり取りに疲れてしまったりして、「もういいや」と泣き寝入りしてしまう人も少なくありません。これは単にユーザー側の問題ではなく、構造的に「戦うコスト」が高く設定されてしまっているからだとも感じます。
だからこそ私は、「そもそも大きなトラブルを避ける」「万が一何かあったときのダメージを最小限に抑える」という視点で、予約の取り方や支払い方法を選ぶようにしています。このあと紹介するチェックリストの部分にも、そうした考え方をガッツリ盛り込んでいます。
公式が発表している安全対策

ここまでブッキングドットコムの問題点を中心に話してきましたが、もちろん運営側も安全対策をまったくしていないわけではありません。公式に案内されている対策や注意喚起を押さえておくと、どこまでがユーザー側の役割なのかも見えやすくなります。
2段階認証・アカウント保護機能
ブッキングドットコムは、アカウントを守るための2段階認証やセキュリティ通知の仕組みを導入しています。ログイン時にメールやSMSでコードが送られてくるタイプのものですね。
これを有効にしておくと、パスワードが万が一漏れても、ログイン時に追加の確認が必要になるので、乗っ取りリスクをかなり減らせます。少し手間は増えますが、安全性を考えると設定しておく価値は十分あると思います。
カスタマーサービスが聞かない情報
公式の安全ガイドラインでは、「カスタマーサービスが電話やメールで絶対に聞かない情報」として、次のようなものが挙げられています。
- アカウントのパスワード
- クレジットカードの完全な番号やセキュリティコード
- オンラインバンキングのログイン情報
これらを求めてくる連絡は、ブッキングドットコムを名乗っていても詐欺の可能性が非常に高いです。「公式サポートはこの情報を聞かない」というラインを自分の中に持っておくと、怪しい連絡を見分ける基準になります。
公式アプリ・公式サイトだけを使う重要性
公式も繰り返し注意喚起しているのが、「ログインや支払いは必ず公式アプリ・公式サイトから行う」という点です。メールやメッセージに貼られているリンクを経由せず、自分でブックマークやアプリからアクセスするクセをつけておけば、偽サイトに飛ばされるリスクをかなり下げられます。
旅行中はつい面倒になってしまいがちですが、韓国のカフェでフリーWi-Fiを使いながら、よく分からないリンクから決済する…というのは、かなり危ない行動です。ちょっとだけ慎重になっていきましょう。
レビュー(宿泊者限定)の信頼性
ブッキングドットコムのレビューは、基本的に実際に宿泊した人だけが書ける仕組みになっています。そのため、まったく関係ない人が適当に書いた口コミよりは、ある程度信頼度が高いと言えます。
もちろん、100%完璧というわけではありませんが、全体の傾向を見るうえではかなり役立つ指標です。韓国の宿を選ぶときも、私は必ずレビューの平均点だけでなく、「最近の低評価レビューの内容」を確認するようにしています。
公式サポートの限界(構造上の問題)
ただし、どれだけ安全ガイドラインを整えても、マーケットプレイス型OTAという構造上、ブッキングドットコム単独ではどうにもならない部分が残るのも事実です。宿側のセキュリティや対応力、現地の法律や慣習など、いろいろな要素が絡み合うからです。
だからこそ、公式のアドバイスをベースにしつつ、ユーザー側でもプラスαの対策を取ることが大事になります。その具体的な方法を、次の章から細かく紹介していきますね。
安全に使うためのチェックリスト

ここからが、実際に使うときに一番役立つ部分かもしれません。ブッキングドットコムを「できるだけ安全に」使うためのチェックポイントを、予約前・予約中・トラブル時に分けて整理していきます。
予約前に確認すべき点
予約ボタンを押す前に、最低限次のポイントは確認しておきたいです。
- 総額料金(税金・サービス料・リゾートフィーなど込み)
- キャンセルポリシー(何日まで無料か、いつから何%か)
- 支払い方法(事前決済か現地決済か、その組み合わせか)
- チェックイン・チェックアウト時間
- デポジット(保証金)の有無と金額
これらは、スクリーンショットに残しておくのがおすすめです。後で条件が違うと言われたときに、「予約時にはこう表示されていました」と示せるので、交渉がしやすくなります。
宿の実在性・口コミの確認ポイント
宿そのものが怪しくないかどうかは、以下のような手順でチェックしています。
- Googleマップで住所を検索し、ストリートビューで建物を確認する
- 周辺に同じ名前の宿がないか、公式サイトが存在するかチェックする
- 直近半年〜1年の口コミを中心に、良い点・悪い点の両方を読む
- 日本人のレビューがどれくらいあるか確認する(韓国など近場なら特に有効)
「新規宿+口コミゼロ+住所もあやしい+異常に安い」という組み合わせは、ほぼギャンブルに近いので、個人的にはおすすめしません。どうしても気になるなら、1泊だけ試してみるなど、ダメージを小さく抑える工夫が必要です。
詐欺メッセージを見抜くチェックリスト
メッセージやメールの安全性をチェックするときは、次のようなポイントを意識しています。
- 公式アプリ・公式サイト上の予約画面にも同じ警告が表示されているか
- URLが公式ドメインかどうか(booking.com以外ならほぼアウト)
- 支払い情報やパスワードなど、過剰な情報を求めていないか
- 異常に短い期限(数時間以内など)で対応を迫っていないか
- 日本語が不自然すぎないか、漢字や言葉の使い方がおかしくないか
ひとつでも怪しいと感じたら、リンクを踏まずに、公式アプリから自分で予約状況を確認する。それでも不安なら、ブッキングドットコムやカード会社に相談、という流れにしておくと安心です。
カード決済の注意点とおすすめの支払い方法
支払い方法については、私は基本的に「クレジットカード一択」と考えています。デビットカードや銀行振込は、一度引き落とされたお金を取り戻すハードルが高いからです。
そのうえで、次のような工夫をしています。
- 限度額をやや低めに設定したカードを、オンライン決済専用として使う
- 利用通知アプリをオンにして、不審な請求があればすぐ気づけるようにする
- 高額な予約は、保険やサポートが手厚いカードを選ぶ
また、ブッキングドットコムに複数のカードを登録しないのも、個人的なポリシーです。万が一情報が漏れた場合に、被害の範囲を少しでも狭くしておくイメージですね。
予約後〜宿泊前にやっておくべきこと
予約が完了したあと、出発前までにやっておくと安心なこともいくつかあります。
- 予約確認メールをPDFやスクショで保存しておく
- ホテルの公式サイトやSNSで、同じ予約内容が反映されているか確認
- チェックイン時間やデポジットなど、重要な点をメッセージで再確認
- 空港からのアクセス方法を事前に調べておく(タクシー・電車など)
韓国の場合は、海外ホテル予約サイトの比較記事なども参考にしながら、「どのサイト経由でどのホテルを取るか」をトータルで考えると、より安心感のある旅程が組めると思います。
トラブル発生時の初動対応
万が一トラブルが起きたとき、最初の動き方でその後の展開がかなり変わります。私が意識しているのは次の3ステップです。
- その場で証拠を集める(写真・動画・スクショ・領収書)
- 宿のフロント・ブッキングドットコム・カード会社の三方向に連絡する
- 時系列と内容をメモにまとめておく(後で説明しやすくするため)
特に、「口頭で言われたこと」は時間が経つと忘れてしまうので、メモや録音など、何らかの形で残しておくと後々の交渉が非常にスムーズになります。
証拠を残す方法(スクショ・ログ・メール)
証拠として役立つのは、次のようなものです。
- 予約画面・料金表示・キャンセルポリシーのスクリーンショット
- 宿とのメッセージ履歴やメールのやり取り
- 領収書や請求書、クレジットカード明細
- 現地で見た掲示料金や部屋の状況の写真
これらは、できればクラウドや別の端末にもバックアップしておくと安心です。スマホをなくしても、必要な情報にアクセスできるようにしておくイメージですね。
ブッキングドットコム利用を避けた方がよいケース

ここまで読むと、「じゃあ自分は使わない方がいいタイプかも?」と思った方もいるかもしれません。この章では、あえて「無理にブッキングドットコムを使わなくてもいいケース」を整理しておきます。
旅行初心者・英語が苦手な人
海外旅行が初めて、あるいはまだ回数が少ない方で、英語のメールや電話にかなり抵抗がある場合は、無理にブッキングドットコムを使わなくても良いと思います。国内の旅行会社や、日本語サポートがしっかりしたOTAの方が、トータルで安心です。
韓国旅行なら、HISやJTBのパッケージ、あるいはHIS韓国ホテルと航空券セット予約の解説記事のような情報も参考にしながら、自分に合った予約方法を選ぶと良いかなと思います。
小さい子ども連れ・高齢者との旅行
小さなお子さんやご高齢の家族と一緒の旅行では、トラブルが起きたときにすぐ動けないことも多いです。そういうときに、サポートが繋がらなかったり、現地で宿が見つからなかったりすると、本当に大変です。
この場合も、多少価格が高くても、安心度の高い予約ルートを選ぶ価値が十分あると感じます。心配ごとが少ない方が、旅を楽しめますからね。
高額旅行・長期旅行
1泊数万円以上の高級ホテルや、長期滞在のアパートメントなど、高額の予約になればなるほど、トラブル時のダメージも大きくなります。こうしたケースでは、ブッキングドットコムだけで完結させるのではなく、公式サイトや別のルートも比較しながら慎重に決めるのがおすすめです。
特に韓国で1週間以上の滞在をする場合などは、1週間韓国旅行のモデルプラン記事なども参考にしつつ、宿の場所や周辺環境も含めてじっくり検討すると安心です。
国内旅行で代替サービスがある場合
日本国内の旅行であれば、正直なところブッキングドットコムでなくても代替サービスはいくらでもあります。楽天トラベルやじゃらん、一休.comなど、日本の旅行業法の枠内で動いているサイトを選んだ方が、トラブル時に行政の保護を受けやすいです。
「わざわざ海外OTAを使うメリットがどれくらいあるのか?」という視点で考えてみると、国内旅行では別の選択肢の方が無難なことも多いと感じます。
宿の位置が僻地・海外のローカルエリア
都市部ならまだしも、かなり田舎のエリアや、観光インフラが整っていない地域の宿をブッキングドットコム経由で予約するのは、リスクが高めです。もし宿が見つからなかったり、予約が飛んでいたりしたときに、代わりの宿を探すのがかなり大変だからです。
こうしたローカルエリアでは、現地の公式観光サイトや、信頼できるガイドブック・旅行会社経由で情報を取る方が、安全度は上がると思います。
逆にBooking.comが向いているケース

一方で、「この条件ならブッキングドットコムはかなり便利だな」と感じる場面ももちろんあります。この章では、うまくハマればメリットが大きいケースを整理しておきますね。
海外の小規模宿を探したい
韓国の地方都市や、ヨーロッパの小さな街など、日本の予約サイトでは出てこない宿を探したいときは、ブッキングドットコムの力が本当に発揮されます。ゲストハウスやアパートメント、一棟貸しの宿など、ローカル色の強い宿がたくさん見つかります。
こうした宿に泊まってみたい旅行慣れした方にとっては、ブッキングドットコムはかなり心強い味方になると思います。
価格を比較しまくりたい
同じ宿でも、予約サイトによって微妙に料金や条件が違うことはよくあります。ブッキングドットコムはその中でも価格競争力が高いことが多く、「他サイトより安かった」ということもよくあります。
ただし、海外ホテル予約サイトの比較記事でも詳しく書いている通り、AgodaやExpediaなど他のサイトと比較しながら決めるのがベストです。どこが一番安いかは、宿や日程によって全然違うので、1サイトだけに絞らない方が賢い選び方かなと思います。
とにかく選択肢が多い方がよい
旅先での自由度を重視する人にとっては、選べる宿の数が多いほどワクワクしますよね。ブッキングドットコムは、まさにその「選択肢の多さ」が最大の魅力です。
韓国でも、ホテルだけでなくコシウォンやレジデンス系の宿など、ちょっと変わった選択肢を探したいときには、本当に頼りになります。選択肢が多い=自分のスタイルにピッタリの宿が見つかりやすいという意味で、使い方次第ではかなり強い武器になります。
旅行慣れしていてトラブルに自力対応できる
最後は身も蓋もないですが(笑)、旅慣れしていて、多少のトラブルなら自力で何とかできるタイプの人には、ブッキングドットコムはかなり相性が良いと思います。多少のリスクを許容する代わりに、価格や選択肢、柔軟性のメリットを取りに行くイメージですね。
逆に、「トラブルが起きたときに誰かに全部なんとかしてほしい」というスタンスの場合は、やはり国内OTAや旅行会社の方が向いているかな、と感じます。
国内OTA(楽天・じゃらん)との安全性比較

ここからは、よく比較対象になる楽天トラベルやじゃらんなど、国内OTAとの違いを「安全性」という観点から整理していきます。どちらが絶対に良い悪いではなく、それぞれの特徴を理解して使い分けるのがポイントです。
旅行業法の保護制度の違い
日本の旅行会社やOTAは、旅行業法という法律の枠組みの中で運営されていて、一定の条件の下で弁済制度などの保護があります。これは、万が一会社が倒産したときなどに、預けたお金の一部が補償される仕組みです。
ブッキングドットコムのような海外OTAは、この日本の制度の直接の対象外であることが多く、「日本の制度で守られている」前提で考えてしまうとズレが出る可能性があります。ここは、単純な評判や口コミだけでは見えてこない大事なポイントです。
サポート体制・言語面の安心度
楽天トラベルやじゃらんは、日本人向けに作られたサービスなので、サポートも完全に日本語で完結しやすいです。電話窓口も比較的繋がりやすく、「日本の会社とやり取りしている安心感」があります。
ブッキングドットコムも日本語サポートはありますが、世界中のユーザーを抱えていることもあり、どうしてもレスポンスやきめ細やかさに差が出ることがあります。このあたりは、「何を優先するか」で選び分けたいポイントですね。
料金・キャンセルポリシーの透明性
国内OTAは、料金表示やキャンセルポリシーが日本人向けに整理されていることが多く、全体として「読みやすい」と感じることが多いです。一方、ブッキングドットコムは、世界共通のテンプレに翻訳を載せている感があるので、細かい表現が分かりづらいケースもあります。
とはいえ、条件をちゃんと最後まで読み、スクリーンショットを残すという基本を守れば、ブッキングドットコムでも問題なく使える場面はたくさんあります。このあたりは、自分の「読み解き力」と相談しながら選ぶと良いと思います。
トラブル時の対応スピード
トラブルが起きたときの対応スピードは、やはり国内OTAに軍配が上がる印象があります。時差もなく、日本語でスムーズに話が通じるので、解決までのストレスが比較的少ないです。
ブッキングドットコムの場合、時差や英語対応、宿側との調整なども絡むため、どうしても時間がかかりがちです。「早く解決してほしい」というニーズが強い場合は、国内OTAを選ぶメリットはかなり大きいと思います。
国内旅行で“Booking.comより安全な場面”
日本国内の旅行に関しては、正直なところ、多くの場面で楽天トラベルやじゃらん、一休などの方が安心度は高いです。特に、家族旅行や記念日旅行、高額な宿泊などでは、日本語サポートと法的保護の両方が効きやすい国内OTAを使った方が、トータルのリスクは低いと感じます。
ブッキングドットコムを国内旅行であえて使うのは、「特定の宿がここにしか出ていない」「ポイントやクーポンの関係でどうしてもお得」など、明確な理由がある場合に限定しても良いかもしれません。
Booking.comの口コミ・評判の傾向

次に、ネット上の口コミや評判の「傾向」を整理してみます。個別の体験談はあまりにケースバイケースなので、ここでは全体としてどんな声が多いのかに注目してみましょう。
良い口コミで多い内容(価格・掲載数)
ポジティブな口コミで目立つのは、やはり次のような点です。
- 他サイトより安く予約できた
- 選べる宿の数が圧倒的に多い
- アパートメントやゲストハウスなど、他サイトにないタイプの宿が見つかる
- アプリが使いやすく、予約管理がしやすい
韓国旅行でも、「日本のサイトには出ていないおしゃれなゲストハウスが見つかった」という声はよく聞きます。「選択肢の多さ」と「価格の強さ」は、ブッキングドットコムの大きな魅力であることは間違いありません。
悪い口コミで多い内容(詐欺・返金・二重請求)
一方で、ネガティブな口コミでは、すでに紹介したようなトラブルが多く報告されています。
- フィッシング詐欺に遭いかけた、あるいは遭ってしまった
- 二重請求が発生し、返金まで時間がかかった
- キャンセル料や返金条件が分かりづらかった
- サポートの対応が遅い・不親切だと感じた
こうした声だけを見ると「絶対使いたくない…」となってしまいがちですが、利用者が多い分、トラブル事例も多く見えるという側面もあります。大事なのは、事例から学んで、自分の旅行にどう活かすかです。
レビューの“偏り”を読み解く方法
口コミサイト全般に言えることですが、「極端な体験ほど書かれやすい」という偏りがあります。めちゃくちゃ良かった人と、めちゃくちゃひどい目に遭った人は、強い感情を抱きやすいので、口コミを書こうと思いやすいのです。
そのため、全体として平均すると「まあ普通だった」という人は、あまり声を上げません。これを踏まえて、口コミを読むときは以下のような視点を持つとバランスが取りやすくなります。
- 星5と星1だけでなく、星3〜4の「普通〜やや良い」レビューも読む
- 同じようなトラブルが複数の人から報告されているかチェックする
- 感情的な表現だけでなく、具体的な事実ベースの記述に注目する
SNS上で多い相談とその背景
SNSでは、「ブッキングドットコムでこんなメッセージが来たけど大丈夫?」「返金されないんだけどどうしたらいい?」といったリアルタイムの相談が多い印象です。これは、相談できる窓口が分かりづらいことの裏返しでもあると思います。
情報の鮮度という意味ではSNSはとても役立ちますが、正確性という点では注意も必要です。最終的には、公式サイト・カード会社・専門家など、信頼できる組織の情報をベースに判断することを忘れないようにしたいですね。
なぜ詐欺がBooking.comに集中するのか【専門的解説】
ここまでの話を踏まえて、「なぜブッキングドットコム周辺でこれだけ詐欺が多いのか」という少し深掘りしたテーマにも触れておきます。仕組みを理解しておくと、他のサイトを使うときにも応用できる視点になります。
酷過ぎるブッキングドットコム。
・ホテルのキャンセル金約15万円が1カ月経っても返って来ない。
※向こうは返金したと言い張るクレイジー具合い。・飛行機の受託荷物の料金払ってるのに航空会社には伝わってなくて預けられない。
※もちろん返金して来ない…#ブッキングドットコム#詐欺 pic.twitter.com/Ngvq1Db0oD— 北のホンコン (@hong_corn410) November 13, 2024
利用者数の多さ=犯罪者の標的
まずシンプルに、利用者数が膨大だからというのが大きな理由です。犯罪者側からすると、「より多くの人を一度に狙える場所」を好みます。ブッキングドットコムのように世界中の旅行者が集まるプラットフォームは、まさに格好のターゲットです。
詐欺師の視点で見ると、「何万人に1人でも引っかかれば儲かる」くらいの感覚なので、ユーザー数が増えれば増えるほど、攻撃の「効率」が上がってしまうのです。
メッセージ機能から外部URLに飛べる仕様
もうひとつの理由は、メッセージ機能から外部のURLを送れる仕様です。これは本来、空港送迎のリンクを送ったり、施設の案内ページを共有したりするために便利な機能なのですが、悪用されるとかなり危険です。
もしメッセージから外部リンクに飛べない仕様だったら、詐欺師は一気にやりづらくなります。ただ、その場合は正規の利用者も不便になるので、どこまで制限するかはなかなか難しい問題だと思います。
宿側アカウント乗っ取りの脆弱性
宿泊施設側のITリテラシーやセキュリティ対策は、正直かなりバラバラです。大手チェーンホテルならしっかりしていることが多いですが、小規模なゲストハウスや個人経営の宿では、古いパソコンでウイルス対策ソフトも入れていない、なんてことも珍しくありません。
こうした環境では、怪しい添付ファイルを開いてマルウェアに感染し、そのままブッキングドットコムの管理画面のID・パスワードが盗まれてしまうリスクが高くなります。「一番弱いところが狙われる」という意味で、構造的な脆弱性と言えるかもしれません。
海外OTAゆえの法的・技術的な穴
海外OTAは、複数の国の法律や規制をまたいでサービスを提供しています。そのため、どの国のルールをどこまで適用するかという問題が常につきまとい、結果として「グレーゾーン」が生まれやすい側面があります。
また、技術的にも、さまざまな外部システムや決済・在庫管理プラットフォームと連携しているため、どこかひとつでもセキュリティが甘い部分があると、そこから全体に影響が波及することもあります。
Which?など消費者団体が指摘する弱点
海外の消費者団体やメディアからは、ブッキングドットコムを含む海外OTAの「セキュリティ体制」や「トラブル時の対応の遅さ」に対して、たびたび批判や改善要望が出されています。これは、利用者が増え続ける一方で、ガバナンスや安全対策が追いついていないという構図でもあります。
とはいえ、こうした指摘を受けて少しずつ改善されている部分もあるので、「今後どう変わっていくか」をウォッチしながら、現時点ではユーザー側でできる対策をしっかり取っていくのが現実的なスタンスかなと感じています。
旅行者ができるリスク管理(実践テクニック集)
ここまでの内容を踏まえて、最後に「じゃあ実際どう動けばいいの?」という視点で、旅行者側でできる具体的なリスク管理テクニックをまとめておきます。
ブッキングドットコムの問題をテレビでやってるね。
実は私も被害者の一人。
息子の試合でタシケントに妻と次女か行ったとき、予約したホテルがダブルブッキングで泊れなかった。
言葉も通じないし、wi-fiも脆弱で翻訳ができず大変な思いをした。(続)#ブッキングドットコム— Wizard 2222 (@2222Wizard) October 20, 2023
予約情報のバックアップ
予約情報は、「スマホだけに入っている状態」から「複数の場所にバックアップされている状態」にしておくと、安心感が一気に増します。
- 予約確認メールをPDF化してクラウドストレージに保存
- 重要な部分(ホテル名・住所・予約番号・料金)をスクショで保存
- 紙に印刷してパスポートと一緒に持っていく(念のため)
特に韓国旅行のように、現地でスマホを落としてしまうリスクもあるので、「端末を失っても情報は残る」状態を作っておくと本当に心強いです。
英文メッセージへの自動翻訳の使い方
ブッキングドットコムのメッセージは、自動翻訳機能が付いていることも多いですが、どうしてもニュアンスが伝わりづらいことがあります。その場合は、DeepLやGoogle翻訳などの外部ツールも併用して、「相手が本当に何を言おうとしているのか」を丁寧に読み解くのがおすすめです。
こちらから英語で返信するときも、まず日本語で文章を書いてから翻訳にかけ、変な表現になっていないかをざっと確認して送るようにすると、かなりコミュニケーションがスムーズになります。
現地で料金を確定する方法
チェックインやチェックアウトのタイミングで、料金に関するトラブルが起きることも多いです。私は次のような流れで「料金の最終確認」をするようにしています。
- チェックイン時に、合計金額と内訳(税・サービス料など)を確認
- デポジットがある場合は、いつ・どのように返金されるのかを確認
- チェックアウト時に、請求額が事前の説明と同じかどうかを再確認
そのうえで、領収書を必ずもらい、金額と通貨単位をしっかりチェックします。後から二重請求に気づいたとき、領収書があるかないかで対応のしやすさが全然違うからです。
カード会社と連携してトラブルに備える
ブッキングドットコムを使う前に、メインで使うクレジットカードがどんな補償やサービスを持っているかを一度チェックしておくのも大事です。
- 不正利用時の補償範囲(自己負担の有無・対応スピード)
- チャージバックの受付条件(期間・必要書類など)
- 海外旅行保険の有無と内容
こうした情報を把握しておけば、「最悪の場合はここまでしてもらえる」というセーフティネットが見えるので、気持ち的にもかなりラクになります。
安全なWi-Fi・ネット環境の利用方法
最後に意外と見落としがちなのが、ネット環境の安全性です。韓国ではカフェや地下鉄のフリーWi-Fiが充実していますが、公共Wi-Fi上でクレジットカード情報を入力するのは基本NGだと思ってください。
ブッキングドットコムでの予約や支払い、パスワードの入力などは、できるだけ安全な回線(レンタルWi-FiやeSIM、自宅のWi-Fiなど)で行うのがベストです。韓国でのネット環境については、韓国旅行でWiFiは必要か?レンタルWi-FiやeSIMの選び方も参考になると思います。
もし詐欺被害に遭ったらどうする?
「気をつけていても、万が一やられてしまったら…?」という最悪のケースも、一応シミュレーションしておきましょう。事前に流れをイメージしておくだけでも、いざというときの行動がだいぶスムーズになります。
まずやるべき初動(カード停止など)
カード情報を入力してしまった、あるいは不正利用の気配があると感じたら、とにかく最優先でカード会社に連絡です。カード裏面の電話番号に電話して、状況を説明し、必要に応じてカードを一時停止または再発行してもらいましょう。
同時に、ブッキングドットコムのパスワードも変更し、他のサイトと使い回していた場合はそちらも変更しておくと安心です。
Booking.comへの報告方法
ブッキングドットコムへの報告は、アプリや公式サイトの「ヘルプ」から行えます。詐欺メッセージや偽サイトに誘導された場合は、できる限り詳しい情報(メッセージ内容・URL・スクリーンショットなど)を添えて報告しましょう。
すぐに個別救済につながらない場合もありますが、同様の被害を受ける人を減らすためにも、情報提供として意味があります。また、後でカード会社や警察に相談するときにも、「ブッキングドットコムに報告済み」という事実があると話がしやすいです。
警察・消費者センターへの相談
金額が大きい場合や、明らかに悪質な詐欺だと感じる場合は、警察(サイバー犯罪相談窓口など)や消費生活センターへの相談も検討しましょう。すべてがすぐ解決するわけではありませんが、どこかに記録を残しておくことには意味があります。
対応窓口や相談先は地域によって違うので、事前にお住まいの自治体のサイトなどでチェックしておくと安心です。
カード会社での異議申し立て
先ほど話したチャージバック(異議申し立て)も、被害回復の手段のひとつです。カード会社によって受付期限や必要な書類が異なるので、「おかしい」と思ったら早めに相談するのが本当に大事です。
領収書やスクリーンショット、ブッキングドットコムとのやり取りなど、手元にある証拠を整理しておくと、スムーズに話が進みやすくなります。
返金可能性と時間の目安
返金が認められるかどうか、どれくらい時間がかかるかは本当にケースバイケースです。数日で解決することもあれば、数か月単位でかかることもあります。
大事なのは、「返金の可能性」と「かかる時間」を冷静に見積もりつつ、家計への影響をどう吸収するかを考えておくことです。場合によっては、一旦は授業料だと割り切って、時間やメンタルを優先して撤退する選択肢もあると思います。
SNSでの注意喚起のメリット・デメリット
SNSで体験談を発信することには、同じ被害を防ぐという意味で大きな価値があります。一方で、具体的な個人名や宿名を書きすぎると、逆にトラブルの火種になってしまうリスクもあります。
発信するときは、事実ベースで淡々と書く・感情的な表現を控える・個人を特定しすぎないなど、冷静なスタンスを心がけると良いと思います。
まとめ:ブッキングドットコムは“使う価値はあるが安全ではない”
長くなってしまいましたが、最後に全体をギュッとまとめておきます。ここまで読んでくれたあなたなら、もう「なんとなく不安…」という段階から一歩進んで、自分なりの判断ができる状態に近づいているはずです。
メリットとリスクを両方理解する
ブッキングドットコムには、「圧倒的な選択肢」「価格の強さ」「検索のしやすさ」という大きなメリットがあります。一方で、「フィッシング詐欺」「架空ホテル」「二重請求・返金遅延」「サポートの弱さ」「法的保護の薄さ」といったリスクも、現実として存在します。
大事なのは、「絶対安全」「絶対危険」と白黒つけるのではなく、メリットとリスクの両方を理解したうえで、自分の旅行スタイルやリスク許容度に合わせて使うかどうかを決めることだと思います。
Booking.comを“安全に使える人”の特徴
私が思う、「ブッキングドットコムを比較的安全に使いこなせる人」の特徴は、次のような感じです。
- 予約条件やキャンセルポリシーをきちんと読む習慣がある
- フィッシング詐欺や偽サイトに敏感で、怪しいリンクを踏まない
- トラブル時に自分で情報を集めて、冷静に動ける
- カード会社や消費者センターなど、相談先を事前に把握している
逆に言うと、これらのどれかに強い不安がある場合は、ブッキングドットコム以外の予約ルートも積極的に検討した方が、旅行全体の満足度は上がりやすいと思います。
利用すべきかどうかの判断基準
最後に、ざっくりとした判断の目安を挙げると、こんな感じです。
- 韓国や海外のローカル宿を安く探したい → ブッキングドットコム「も」候補に入れる
- 国内旅行・家族旅行・高額旅行で安心重視 → 国内OTAや旅行会社メイン
- トラブル時に自力対応できる自信がある → メリットを取りにブッキングドットコム活用
- 不安が強い・あまり調べる時間がない → 多少割高でもサポート重視のルートを選ぶ
最後に:他のOTAと併用するのが最も安全
私の結論としては、「ブッキングドットコムだけに頼らない」のがいちばん現実的で安全な使い方かなと思っています。AgodaやExpedia、Trip.com、そして楽天トラベルやじゃらんなど、複数のサイトを比較しながら、自分の旅程やリスク許容度に合う予約ルートを選ぶイメージです。
韓国旅行ガイド.comでは、海外ホテル予約サイトを比較した記事やAgodaの安全性とトラブル対策をまとめた記事なども公開しています。ブッキングドットコムのメリット・デメリットを理解したうえで、他の選択肢も含めて「どう組み合わせるか」を考えていくと、きっとあなたの旅はもっと安心で、もっと自由になるはずです。
最後にもう一度だけお伝えすると、この記事の内容はあくまで一般的な目安であり、状況や契約条件によって結果は大きく変わることがあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。そして、高額な予約やトラブルへの対応に不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
